十行小説 「そうじゃない」
「あれ、姉さん?」
「え、お姉さん!? あんた達姉弟だったの!?」
確かに私は「私と合いそうな男の知り合いがいたら紹介してね」と言ったけど、それで紹介された相手が弟じゃ意味がない。私は結婚相手が欲しくてそう言ったんだから。
確かに私達姉弟は、外見はあまり似てない割に趣味が共にスイーツ食べ歩きだったり、好きなアーティストも同じ男性アイドルグループだったりするけど、それは同じ環境で育ったからであって、偶然そうなったわけではない。
「はあ、まったくどうしたものか」
「せっかくだから付き合ってみる? 俺、姉さんのこと好きだし」
「その『好き』は『ライク』の方であって『ラブ』の方ではないだろうが!」
お題
「友人の紹介」
リンク
お題はここから頂きました。