十行小説 「愛よ届け」
私は恋をしている。それも普通の恋ではない。これが成立すれば史上類を見ないカップルが誕生する。
この恋を成就させるため、私はハウトゥー本を必死に熟読し、彼女に対して様々なアプローチを行った。結果としては失敗した事も少なくなかったが、彼女の好感度は私だけでなく私の友人から見ても十分に上がっていると太鼓判が押された。
そして今、私は彼女に意を決して告白した。本の通り、最高のデートを行い、最高の夜景が見えるこの場所で、最高のタイミングでありったけの私の愛を伝えた。
だが――
「ごめんなさい。私、ワンちゃんとはお付き合いできません」
「だから犬じゃなくて犬型宇宙人ですぅぅぅぅぅっ!!」
お題
「恋の教科書」
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お題はここから頂きました。