ローグライクの道程を辿ってみる その2「Rogueヴァリアント」
前回はRogueおよびそのゲームシステムを維持して新たに作られたRogue Cloneを見てきましたが、今回はRogueを少しだけアレンジした、いわゆるヴァリアントを見ていきます。NetHackやMoria/AngbandもRogueから派生した作品ですが、かなりアレンジされているのでまた別の機会に。
Rogueの派生作品は大きく二つに分けられるようです。一つは『Super Rogue』系列で、もう一つは『Advanced Rogue』系列です。
Super Rogue
Rogueからアイテムやモンスターの数を増やし、『店』システムを搭載した、純粋に拡張したのみの作品です。アイテムやモンスターが増えたためにダンジョンの一階層に落ちているアイテムはRoguより増え、アイテム不足に悩まされる事は無くなり、それによって難易度は低下しています。
Super Rogueでの『店』はNetHackやシレンとは異なり、一階層の部屋に作られるのではなく、一階層全てが店のフロアになっています。そのため売られているアイテムの数も多く、もし入る事が出来たらそれだけで一気に強化も可能です。
RogueらしいゲームをプレイしたいけどRogueのストイックでシビアなプレイから脱却したい時に最適。ゲームの目的はRogueと同じく地下26階以降に落ちている『イェンダーの魔除け』を持ち帰る事です。
Advanced Rogue
Super Rogueより後発でSuper Rogueを参考にした所もありますが、Super Rogueとは異なるアレンジが加えられています。
アイテムやモンスターの増加はもちろん、初期ステータスがそれぞれ異なる『職業』の追加が行われ、ゲーム開始時に選択とステータス割り振りが可能になりました。
また、開始時に持ち込むアイテムは最初に店で買い物をする形になりました。ここで強い装備を整えて挑む事も出来ます……が、バランスはRogueとはまた違った形でシビアなので、浅い階層でも死にやすいです。
他にRogueから進化した点として、テンキーによる8方向移動があります。これでhjklyubn操作とはおさらばだ!
Ultra Rogue
Super Rogueの派生形であるヴァリアントです。
Advanced Rogueと同様に最初に職業選択やステータス割り振りを行い、与えられた資金を使ってアイテム全種類から初期アイテムを選択します。ただし、ここで購入した以外にも初期アイテム(武器と防具と食糧)が与えられるので、より強い装備を購入するか、ひとまず死なないためのアイテムを揃えるかと考えられます。
プレイ感覚は上記の作品と同じですが、アイテムを拾う時にいちいちウインドウ全体が書き換えられる上に、何を拾うか選択しなければならないので、テンポが悪いという面があります。また、Rogueから『f(戦う)』コマンドが改良されて復活しましたが、これも派生形としては冗長的です。一応、確実に死ぬような戦いの場合はキャンセルされるというメリットはありますが。
XRogue
Advanced Rogueの派生形であるヴァリアントですがSuper Rogueの要素も受け継いでいるようです。
Advanced Rogueと同じくテンキーで移動可能ですが、自分の環境では上下左右方向のキー入力が正しく動かなかったので、まともにプレイ出来ていません。解決法を見つけなければ……。
その他
Rogueの直接の派生でない(ヴァリアントでない)Rogueオマージュの作品も存在します。代表的なのは『BRogue』でしょうか。BRogueの紹介はまた後日行う予定ですが、こちらはダンジョンの生成がより自然であったり、湖や大穴、FOV等といった要素が加えられたりしてプレイ感覚がかなり異なります。