読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

星と猫の数学

ローグライクとストラテジーとマイナー志向で黒猫なでなでしたい

隠岐島千景の大いなる野望 -高校生たちが銀行を作り、学校を買収するようです。-

小説

黛「やられたらやり返す!」

古美門「甘~い! やられてなくてもやり返す! 身に覚えのない奴にもやり返す! 誰かれ構わず、八つ当たりだ!」

黛「それはただの迷惑な奴です」

古美門「(・ω<)」

 

 ― リーガルハイ 第1話「完全復活・古美門研介! すべては依頼人のために無敗の弁護士が非道の悪人に立ち向かう!」より

今月25日にダッシュエックス文庫より発売されたライトノベルです。

ストーリー感想

突然現れた超・金持ちのお嬢様『稲佐浜月夜』の横暴により学校が乗っ取られる。それに逆らった主人公『出雲光一』やその友人達は一年間の停学処分を受けてしまい、このままでは退学になってしまう。そこへ現れた少女『隠岐島千景』の提案により光一達は銀行を起業、金を稼いで学園を買収するという手段に出る、というのが大まかな粗筋です。やられたらやり返す。倍返しだ!

ライトノベルで銀行(の起業)を主題にしたという一風変わった内容で固そうなイメージがありましたが、全体的にはヒロインの千景と主人公の光一による漫才の様なボケとツッコミの応酬が面白いコメディです。その応酬も個人的にはいい塩梅でくどくないから好きですね。

銀行の企業及び経営は概ね順風満帆に進み、派手な苦境はあまりありませんが、代わりに各キャラクターの過去に重いものがあり、それが物語全般にちょうどいい抑揚を作っています。意外とハードなバックストーリーを持ってたりするので、最初に読んだ時は驚かされましたが。

キャラクター感想

ヒロインの千景はクール系で非常に優秀な人物ですが、前述のように(漫才的な)ボケが激しく主人公とのやりとりが笑えます。よくある夫婦漫才的なのではなく本当に真っ当なボケとツッコミなので、色んな意味で主人公とはいいコンビです。ちなみにマニア受けする体型らしい。

他には守銭奴的だけど金儲けに関する知識は誰よりもガチな『宍道陽南子』、引っ込み思案でオタクかつフィギュア作りが得意な眼鏡っ子『日御碕灯』、イケメンだけど筋金入りのオタクで(エロ)漫画家志望の『京羅木天馬』、お嬢様で桁違いの唯我独尊を地で行くアホの子『稲佐浜月夜』など、とにかく個性的すぎるキャラが揃っています。

個人的にはモブでなく物語にしっかり絡んでくる男性キャラがいるだけで高評価です。二枚目半どころか二枚目の皮をかぶった三枚目ですが、むしろそれがいい。

それと今回の話の元凶となった月夜ですが、悪役というかいろんな意味で汚れ役になっていて、色々大丈夫なのか心配です(いいぞもっとやれ的な意味で)。開口一番の高笑いとか、停学の一因になった陽南子の○○○○○を受けるシーンとか、主人公と再度対峙した時に明かされてしまった××××とか。最後のはむしろご褒美ですが。

締め

兎にも角にも、主題的にライトノベルとの相性が気になっていた一作ですが、蓋を開けてみれば漫才的コメディな雰囲気で楽しませながら銀行経営が面白く、終盤の非常に爽快な逆転劇も熱くなれました。最後まで一気に気楽に読み通せる良作です。