星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

十行小説「賽の河原」

賽の河原ってあるよな」
「唐突に何を言い出すんだお前は」
「河原で石を積んで塔を作って、積み終える前に鬼が来て壊していく。親より先に死んだ子供がやって、それが出来ると親への供養になるとかなんとか」
「それで、何が言いたい?」
「何か似てるよな、ジェンガって」
「それを今遊んでる最中に言うか」
「必死に積んでいって、崩れると凄く辛い」
「だからそれを今言うなと――」
 そして目の前の積み木は崩れた。

お題

無し