星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー

今年はMOVIE大戦に代わり、前年度のライダーだけでなくここ5年のライダーが一堂に集う作品となりました。とはいっても中心になって活躍するのはエグゼイド及びゴーストで、他はゲスト出演に近い形です。

更に今作はパックマンともコラボしており、敵がゲームキャラをもしたコンピュータウイルスという設定も相まって敵としてパックマンが登場、ライダー達と戦っています。少し前に『ピクセル』という映画が出ていましたが、それにも似ていますね。

感想としては、坂本浩一さんが監督を務めた事もあって派手なアクションとダイナミックな演出で映像面は大迫力、ストーリーはクロスオーバー具合とエグゼイド本編にも関わりそうな重要な設定が明かされ、ライダー達の戦いに熱くなりました。

(以下ネタバレ有り)

パックマンの敵キャラが『ゴースト』なので、仮面ライダーゴーストの力を真っ先に奪った」という展開はなるほどと感心しました。しかしパックマンでもそうであるように、ゴーストは不滅の存在。タケルの強い想いもあって中盤で戦線復帰したのは熱かった。しかもその際に、いつもなら終盤でやるようなゴーストとエグゼイドの互いの姿を借りた限定フォーム(ゴーストはエグゼイド魂、エグゼイドはゴーストゲーマー)になってパックマンと戦う! パックマンにはゴーストという構図にダブルライダーの共闘を上手く混ぜた展開で満足しました。

同時にそれぞれのサブライダーが共闘してバグスターと戦っていましたが……エグゼイド本編でライダー達の中がすこぶる悪いのでその点に関しては少し違和感が。まあ「バグスターを倒す」という点においては目的が一緒なので、その点で協力し合えたと思えばいいでしょう。それに同じ青ライダーであるスペクターとブレイブの共闘や、黄色と黄緑で配色が近いネクロム・スナイプ・レーザーの共闘と見栄えも良かったですしね。

一方のレジェンドライダー達はというと、警察という立場上関わりやすいドライブこと進ノ介は出番も多く、重要とまではいかなくても美味しい役どころでした。ウィザードこと晴人は、タケルと永夢を導くために敢えて敵に身を振ったような立ち位置で現れたのですが、どうしてその場所がわかったのかとか寝返りが早すぎとかツッコミ所がちらほら。警察が包囲したところに現れていた(上に警察を全員転移させた)ので、警察を追いかけ被害を出さない様に立ち回ったとっさの作戦だったのかもしれません。鎧武は中の人が出演できなかった現在地球でない惑星で暮らしているので最後も最後に現れて手助けに来ていました。地球の事は時折様子を見ていて、あの場面で自分が駆けつけないとと思って現れたのでしょう。さりげなく地下深くに封印されていたベルトさんことドライブドライバーを持ってくるというミラクルまであっさりやってのけて、さすが神様と納得してしまいました。

そしてラストはライダー達の共闘!……と思いきや、エグゼイドの設定でもあるようにそれぞれがゲーマーフィールドに転送されてしまったので個別に戦っていました。しかしそれでガッカリさせないためか、ウィザード・鎧武・ドライブはそれぞれの主題歌をBGMに持てるフォームを駆使した戦闘を披露。懐かしさと熱さに興奮しっぱなしでした。(本編で使った事があるし設定上は持っててもおかしくないとはいえ、何故か鎧武がバナナアームズを使っていたのには笑いましたが)

ゴーストとエグゼイドも同じ場所に履いたものの敵も二人いたので個別に戦闘していましたが、ゴーストはここでまさかの新フォームを披露、その名も『テンカトウイツ魂』。織田信長のゴーストがタケルの想いに答え、太平の世のために天下統一を成し遂げた豊臣秀吉徳川家康のゴーストと共に一つの眼魂となった姿ですが、闘魂ブースト・グレイトフル・ムゲンの攻撃をも跳ね返したバグスターに圧倒するほどの強さを見せつけてくれました。15のゴーストが力を貸しているグレイトフル以上って……。

エグゼイドもレベル3までの力を駆使しましたがまったく太刀打ちできず。しかもプロトマイティアクションXガシャットを無理やり挿入されて危険な状態に陥ったと思いきや、まさかの二つのガシャットが融合、新フォーム『マイティブラザーズアクションXX』を披露しました。かつての仮面ライダーWが二人で一人の仮面ライダーなら、こちらは一人で二人の仮面ライダー*1。それ故か抜群の連携で相手を圧倒し、勝利します。

しかし戦闘中に明かされた実験の被験者が永夢という事や、理屈の不明なマイティブラザーズアクションXX等、この作品だけではわからない設定が出てきました。マイティブラザーズは永夢がゲーマーMとなると性格が変わるのと関係がありそうな気もしますが、そのガシャットを使っていた時の記憶がないという謎もあります。そして本編では「永夢が受けた手術は8歳の時だけ」と言われており、映画の描写とは矛盾します(しかも永夢は6年前の実験について全く言及していない)。こちらは極秘裏の実験だから記録に残っていないとも考えられますが、もしかしてこれが「適合手術を受けていないのにライダーに変身できる」というのに影響しているのでしょうか。

兎にも角にも密度が濃く、今作は非常に楽しめました。映画で明かされた設定だけでなくエグゼイド本編も展開が早く密度が濃いため、今後が色々気になりますね。

*1:一人で何十人にも分身する仮面ライダーオーズ・カタキリバコンボというチートクラスのライダーもいますが。