星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

オニヒメ 第1巻

上山道郎先生の新作です。美しすぎる容姿を持った少女『鬼塚愛』が、パートナーとなる『神代優』と共に『剣豪ディスク』と呼ばれる剣豪の技が秘められたアイテムを駆使して異界からの侵略者である『越境者』と戦う、といった内容になります。

現代を舞台にした和風ファンタジーな話ですが、前作とは打って変わってメインキャラや対峙する相手(越境者に乗っ取られた一般人)が女性ばかりだったり、『剣豪ディスク』といういかにもな設定だったりと、上山先生の好きなモノが詰め込まれているのが感じられます。わざとらしくない健康的エロスも健在だよ!そこに上山先生が前作『ツマヌダ格闘街』の連載中に得た剣術の知識が加わるので、ファンタジーながらリアルな剣術が見られるという魅力があります。自分の好みにも合っているので、今作も楽しく読む事が出来ました。

ところで主人公の愛はキービジュアルや自分が目にした1コマなどではクールビューティーなキャラかと思っていたのですが、実際には少し天然の入った純真なキャラで驚きました。同時にそのギャップが可愛くて一発で惹かれましたが! さすが上山先生、このあざとさはずるい。

まだ1巻時点では物語の始まりも始まりにすぎないので物足りない所があり、早く続きが読みたくなります。

(以下ネタバレ有り)

古くからの上山先生のファンならピンときたと思いますが、この作品は『怪奇警察サイポリス』から25年後の話であり、主人公の愛はサイポリスの主人公『鬼塚勇気』の娘となっています(1巻の後書きに記載)。勇気の武器でありトレードマークでもあった剣玉は愛にも受け継がれており*1、それを駆使して戦う様は父親同様です。

他にもパートナーの女の子が眼鏡っ娘だったり(ただし両者に関係は無いと思われる)、サイポリスとの共通点がチラホラ。もちろんサイポリスとは連載誌が違いますし年月もかなり経っているので、サイポリスのネタは前面に出てきておらず、かつての読者がよりこの作品を楽しめるという程度に留まっています。

こちらの要素はどこまで本編に絡むかわかりません(未読者のために深く関わる事はないと思います)が、それでも色々楽しみですね。

*1:同一のモノかは不明。愛が父親から剣玉を受け取るシーンはありますし、剣玉も特殊なモノで剣豪ディスクを使って脇差に変形する能力がありますが、サイポリスでは剣玉のみで剣に変形していました。