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星と猫の数学

ローグライクとストラテジーとマイナー志向で黒猫なでなでしたい

キラプリおじさんと幼女先輩

キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫)

キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫)

タイトルがめっさ気になっていたのですが、友人にアイカツ・プリパラおじさんのお前にならオススメと言われたので読みました。女児向けアーケードゲーム『キラプリ』に熱中する男子高校生と、彼の技量を上回る実力の持ち主である女子小学生の、ハートフル(?)コメディとなっています。本来の「おじさん」としては若い主人公と、本来の「幼女」としては年齢が高いヒロインですが、主人公はラノベのターゲット層を考えるとこうするしかないし、ヒロインが幼稚園児~小学校低学年だと物語的にいろいろ辛いという事情もうかがえます。

さて読んでみた感想ですが、これがまたおじさんの心にぐっと来る。主人公は自分の趣味が異端である事は理解しつつも、これまでハマってきたものが無い故にキラプリに熱を上げている。だから友達がいないという、そんな主人公の成長(変化)も見所です。

またヒロインは家庭が裕福なものの両親が常に不在で寂しさを抱えており、またキラプリも小学校高学年だとプレイしている同級生がなかなかいない。その上劇中では小学生女子故に危険が伴っているから、主人公とは反目しつつも彼を頼りにせざるを得ない場面もあり、それをこなしていく度に徐々に心を開いていきます。一種のツンデレ

そんな二人の前に立ちはだかったのは、キラプリ内でのイベントが『おともだちといっしょにプレイしてレアなコーデを手に入れよう!』というものでした。一人でもコーデが手に入れられるように、キラプリではゲーム内キャラのカードを使って2P側をオート操作してもらえるようになっています。しかし最高レアであるSSRのコーデを手に入れるには、それでは絶対にクリアできない最高難易度をクリアする必要がある。そのために主人公とヒロインが二人で協力する、というのがクライマックス。これまで設置店舗内順位で1位を争い合っていた二人が、紆余曲折あって打ち解けていく様は素晴らしい。

難点は、主人公がある事件をきっかけに孤独状態から脱するのですが、それがヒロインとほぼ関わりが無い事。もちろん劇中の出来事が全て一つに繋がる必要はありませんし、感覚としてはヒロインとの関係があったからこそ主人公が積極的な行動を起こしたとも言えますが。

また上にも関係しますが、主人公の学校のクラスメートが主人公の変化を示すものである程度にしか機能していません。もし続編が作られたら、この辺りの掘り下げをぜひ行ってもらいたいですね。

名有りのキャラでは女性キャラが大半を占めており主人公に好意を示している、いわゆるハーレム状態ですが、幼馴染とお姉さんはともかくヒロインとクラスメートは主人公の好漢な面を見たからこそ行為を抱いたのでさほど鼻につかないです。

兎にも角にも、ここ5年ほどの『大きなお友達』の流行を上手く物語に落とし込んだ良作でした。続きがあるといいなぁ。