星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

ゲゲゲの鬼太郎 第1話「妖怪が目覚めた日」

10年に一度、テレビアニメ化している日本で最も有名な妖怪漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の最新テレビアニメです。

時代毎に合った世界観(人間社会)を形成してその都度人気を博していますが、今作ではSNSや動画配信といった要素で現実に即した雰囲気を築いています。また今作は3期のようにレギュラーとなる人間キャラ『犬山まな』が登場し、視聴者に近い視点で鬼太郎達妖怪と接します。

一方の鬼太郎も、デザインこそ変化はほとんど無い(キャラクターデザイナーの癖や作風に即した調整程度)ですが、作品によって性格が異なります。今作では(まなを巻き込まないためというのもあると思いますが)厭世的で色んな意味でクールな印象を受けます。しかもまなをかばって吸血木にされたり、ラストに謎の人物(妖怪?)から矢で射貫かれたりと、不死身性は見せても無敵性は薄かったりするという描かれ方で目を見張りました。

1話の時点でも相変わらずヒーロー的というより怪奇色の強い作風でグッとハートを掴まれましたが、まだ鬼太郎ファミリーが出てきていません(猫娘のみSNSでの情報提供という形で間接的に登場)し、これから本格的に全体的な作風が描かれていくでしょう。

登場妖怪

『のびあがり』

見上げれば見上げるほど高くなっていく妖怪の愛媛県での呼び名。大抵は獣が化けた姿と言われ、愛媛県では主にカワウソが化けた妖怪だとされている。地上から30センチくらいの所を蹴るか、目を逸らす事で消えると言われている。

参考図書:『決定版 日本妖怪大全』(著:水木しげる

今回登場した妖怪『のびあがり』ですが、原典(伝承)ではこう記されていました。吸血木を使うなんて話はどこにもありませんし、「見上げると高くなる」という特徴も全く反映されていません。が鬼太郎ではよくある事……というかこののびあがりは原作の鬼太郎に登場しており、ほぼ全てのアニメにも出演しているという、鬼太郎的には伝統の妖怪となっています。水木しげる先生はこういうアレンジが多い。