星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

【特撮ピックアップ】仮面ライダーJ

あらすじ

世界中で異常気象が起こっていた。その現状を世間に伝えるべくカメラマンの『瀬川耕司』は道中で知り合った少女『木村加那』に手伝ってもらいつつ撮影を行っていた。

ある夜、二人は奇妙な巨大生物が空を飛んでいるのを目撃し、直後に謎の三人組に襲われる。加那は連れ去られ、耕司は崖から突き落とされて殺されてしまう。そんな彼を救ったのは、地底に住む種族『地空人』だった。彼らは耕司をJパワーの戦士『仮面ライダーJ』として蘇らせると共に、異常気象の原因が『フォッグ』によるものだと告げた。

耕司は加那を救い、地球を守るためにフォグに立ち向かう。

概要

ZOに続く完全新作ライダー映画です。当初はZOの続編として作られる予定が、事情により完全新作に……って、ZOと同等の経緯ですね。

ZOと比較するとJはよりヒーロー性が強く、敵であるフォッグの目的も首領である『フォッグ・マザー』の孵化のために地球の生物を生贄にするためと悪役らしいものになっています。主役を演じたのはジュウレンジャーのゲキ役だった望月祐多さんなので、ヒーローらしい立ち回りにも安定感があったように感じられました。

また、仮面ライダーJには手で『J』のサインを作る決めポーズがあり、それが一層ヒーローらしさを感じさせます。

見所

仮面ライダーでは唯一、正式に巨大化して戦う様が描かれています。他にも巨大化したライダーはいますが、例えば1号は本来持っていない力でウルトラマンと共闘するために可能としたものです。Jも巨大化は本人の能力ではありませんが、「Jといえば巨大化」とイメージされる*1ほどイコールで結ばれたものです。

ウルトラマンと比べるとより巨大感を表すために地面が沈んだりする描写があり、戦隊と比べると生身故にロボよりも軽快な動きがあって独特です。特に決め技となったライダーキックは、その重厚感と軽快さを併せ持った演出になっていて大迫力。

余談

OVの真、映画のZOとJとテレビ放映がない時期に連続で作られた3作でしたが、ここで再びライダーの制作は途切れます。

次に舞台に立つのは2000年のテレビシリーズ『仮面ライダークウガ』。ヒーロー性を抑えリアリティを追求したクウガは見事にヒットし、現在も続く『平成仮面ライダーシリーズ』の祖となりました。

*1:後のライダー映画で客演した時も、大抵は巨大化した状態で戦っています。