星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

【漫画ピックアップ】 キン肉マン 黄金のマスク編

あらすじ(全体)

地球に住む正義の超人『キン肉マン』。彼は当初その不細工な顔立ちとヒーローとしてあまりにも情けなさすぎる実力や性格により、人々から疎まれていた。それでもキン肉マンは地球の平和のために戦い、時には仲間との友情のために奔走する。

そんなキン肉マンだが、後にキン肉星の王子である事が判明し、更に第20回超人オリンピックに参加した上に前回の優勝者であるロビンマスクを倒すという奇跡を起こし、徐々に地球の人々や仲間達から隠れた実力を認められていく。

更にキン肉マンは仲間との絆『友情』の力で次々と地球に襲い来る脅威を打ち倒し、その上敵対していた相手とすら友情を育んでいく。

あらすじ(黄金のマスク編)

七人の悪魔超人を倒し、地球に平和を取り戻したキン肉マン達正義超人達は、その日定期健診を受けていた。しかし、そこへキン肉星の平和の象徴である『黄金のマスク』を奪った『悪魔六騎士』が現れる。彼らは悪魔超人の中の精鋭達であり、敗北した七人の悪魔超人に代わり正義超人達を倒そうとしていた。

黄金のマスクを奪われた事により正義超人達は徐々に力を失ってまともに戦えず、悪魔六騎士に立ち向かう事が出来ない。そんな中、黄金のマスクと共に平和の象徴として祭られていた『銀のマスク』を手にしていたキン肉マンのみが、力を失わずに立っていられた。キン肉マンは黄金のマスクを取り戻すため、悪魔六騎士に立ち向かう。

紹介

最近キン肉マンを一通り読み返していたので、今回はその中で自分が最も好きな『黄金のマスク編』を紹介します。

この話が好きな理由は、最もヒーローらしい戦いを繰り広げている事、敵である悪魔六騎士および悪魔超人の首魁である『悪魔将軍』が魅力的である事ですね。この話の前にある『七人の悪魔超人編』でも『ステカセキング』や『スプリングマン』等一風変わった能力を持つ超人が登場していましたが、悪魔六騎士編ではその後も何度か再登場して大活躍していた『アシュラマン』『サンシャイン』『ザ・ニンジャ』が特に強い個性を放っていました。悪魔六騎士には以下の様な超人が存在します。

  • 様々な生物に変身できる能力を持つ『スニゲーター』
  • 全身が惑星で出来ておりその惑星にちなんだ様々な攻撃を繰り出す『プラネットマン』
  • 両腕のスパイク付きプレスで名前通り相手を叩き砕いてジャンクにする『ジャンクマン』
  • 名前通り忍者のように変幻自在な術を多用する『ザ・ニンジャ』
  • 六本の腕から繰り出される多彩な技や三つの顔を使い分けた特殊攻撃で正義超人を苦しめた『アシュラマン
  • 身体が砂で出来ているためにまともな攻撃は通用せず、自在に身体を変化させて攻撃を繰り出す『サンシャイン』

そしてこの話を語るにあたって欠かせない存在が『悪魔将軍』です。悪魔超人の首魁であり黄金のマスク編での元凶に当たる存在で、その強さはキン肉マンに強いトラウマを植え付けるほどです。自身の身体の超人硬度*1を自在に変化させられる能力を始め、九か所の急所を封じる『地獄の九所封じ』、そして必殺技である首狩りニードロップ*2『地獄の断頭台』等、凶悪な技でキン肉マンを苦しめました。

更に悪魔将軍はその絶対なるカリスマ性で悪魔超人を束ねており、キン肉マンとの友情に目覚めてバッファローマンが裏切ったりした事はあるものの、基本的にはどの悪魔超人も心から悪魔将軍を崇拝し、従っています。この辺りは特に後の『完璧・無量大数軍編』で顕著であり、時を経てもその威厳は全く落ちていません。

そんな相手でさえもキン肉マンは仲間の力、そして自身の不屈の闘志と『火事場のクソ力』により、悪魔将軍をも正義に目覚めさせる奇跡を発揮、最終的には新必殺技『キン肉ドライバー』で撃破します。ここまでのプロセスは平坦でも一直線でもなく苦労や仲間の犠牲がありますが、だからこそ面白い。

80年代のジャンプを支え、今なお根強いファンが多い作品ですが、改めて読み返すとそのパワーを実感できます。

キン肉マン 13 (ジャンプコミックス)

キン肉マン 13 (ジャンプコミックス)

*1:超人や超人の持つアイテムの硬さを示す度合いで、0から10の間で表現される。例えばキン肉マンの防御技『肉のカーテン』は超人硬度4.5。

*2:厳密には空中で相手の首を膝で捕えて叩き落とす技。