星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

【アニメピックアップ】Φなる・あぷろーち

φなる・あぷろーち (通常版)

φなる・あぷろーち (通常版)

あらすじ

ある日突然、『水原涼』と『水原明鐘(あかね)』の住む部屋にガラスをぶち破って突入してきた少女がいた。名前は『益田西守歌(しずか)』。彼女が言うには、国による少子化対策として国が様々なデータから結婚相手を決定するシステムにより決められた、涼の婚約者だという。

お嬢様である西守歌の行動は出会い頭から破天荒であった。何故か外すと爆発するウサミミヘアバンドを涼に着けたり、学年は一つ下なのに涼と同じクラスに転入してきたり……。そんな彼女に振り回されて辟易した涼は、何とかして婚約を解消しようとする。

概要

2004年に放送されたアニメで、原作は同名のギャルゲーになります。『プリンセスアワー』というプリンセスソフトのゲーム原作アニメを2本立てで放送していた枠内での作品なので、1話が15分にも満たない長さなので気軽に見る事が出来ます。

このアニメ作品の特徴は、非常に明るくドタバタなスラップスティックコメディとして作られている所になります。ギャルゲー原作で明るい作品は少なくないですが、当時は泣きゲ*1の影響がまだ色濃く残っていたため、終始明るいというのは多くありませんでした*2。原作再現のされているアニメ作品ならなおのこと。

しかし当作はあらすじを見ればわかるように、コメディの部分が色濃く出ています。また作中では頻繁にキャラがSD体型になる事があり(その上SDの時は声がやや高くなる)、それが一層コメディとして作品を引き立てています。わかる人なら『ハイスクール!奇面組』を思い出すのではないでしょうか。

もちろん終盤はシリアス展開がありますが、何か特別な力が働くわけでも傷害や死があるわけでもなく、ただ真っ直ぐに恋愛と家庭の事情によるものなので鬱展開というほどの暗さにもなりません。

見所

西守歌による破天荒な行動はほぼ毎回の見所です。1話の部屋突入に始まり、雪山に遭難しても数々の機器で外部と連絡を取ったり(救助要請には使わない)、友人である『陸奥笑穂』*3を不本意な婚約から救うべく重火器を使って立ち回ったり……。

その西守歌の行動は最後の最後まで勢いが衰える事なく、終始楽しむ事が出来ます。

余談

ヒロインの一人である『芽生百合佳』の声優は、あの皆口裕子さんです。他のキャラは当時の若手人気声優で占められていましたが、一人だけベテランなので驚きました。

ただしアニメだと彼女は……。詳細はアニメを見て貰う事にして、この展開をゲームのファンはどう思ったのでしょうか。

*1:Kanon』『AIR』が爆発的普及のきっかけとなった、アドベンチャーゲームの派生ジャンル。その名の通り『泣ける』ストーリーに重点を置いているのが特徴。

*2:プリンセスアワーの片割れである『W~ウィッシュ~』はシリアスな作品であり、当作とは対照的でした。

*3:ゲーム上はライバルとなるヒロインだが、西守歌が竹を割ったような性格のため互いに仲が良い。