星と猫の数学

私を退屈から救いに来た、夢のヒーロー

ゲゲゲの鬼太郎 第7話「幽霊電車」

いずれの年代でもアニメ化された*1『幽霊電車』の話が6期でもアニメ化されました。

「妖怪や幽霊の存在を信じない人間が鬼太郎に暴力を振るい、その報復として幽霊電車に乗せられ恐怖を味わう」というプロットはどのアニメでも概ね同じでしたが、時代によってアレンジが入っています。今作では対象となった人間が世相を反映してブラック企業のワンマン社長となっていました。しかも多くの部下があまりのブラックぶりに自殺しており、更に死んだ部下の怨みから事故死に見せかけられて殺された浮遊霊になっていたというオチ。死んでもなおそれを(当人にとっては突然の事だったとはいえ)認められず、鬼太郎によってようやく自覚したもののあまりに多くの恨みを買ったために地獄行き、鬼太郎の言う通り『因果応報』な末路を迎えました。

そしてそんな事故現場を心霊写真として撮ってしまった女子高生が、その恐ろしさから鬼太郎に相談を持ちかけたという後日談もあったものの、冒頭でいじめを行っていた旨を友人達とメッセージアプリでやりとりしていた描写もあり、彼女もまた同じ様な目に遭う可能性を示唆していました。真に恐ろしいのは人間なり。

背筋を凍らせる様なストーリー運び、妖怪よりも恐ろしい人間の怨み、6期で度々描かれたり示唆している人間の醜い心、どれを取っても今回は素晴らしい出来でした。日曜の朝に放送するものではない? むしろ今の時代だからこそこういう話は必要ですよ、ええ。

*1:1期の直接の続編で話の重複を行わなかった2期を除く。